デイン・ドナヒュー/Casablanca
楽しいクリスマスが過ぎて、もう間もなくで今年も終わろうとしていますが、2008年の最後を締めくくる名曲は、デイン・ドナヒューの「Casablanca」です。
デイン・ドナヒューにとっては、恐らくワン・アンド・オンリーのAOR名盤「DANE DONOHUE」(1978)からの作品で、アルバムのオープニングを飾る渋い名曲です。
タイトルのカサブランカは、CDのライナーノーツにもあるように、ハリウッドの名画「カサブランカ」をモチーフにしているものと思われますが、歌詞の内容がとても詩的な味わいを持つ作品です。映画カサブランカのハンフリー・ボガードが表現する男の哀愁や寂しさを、コンクリート・ジャングルの都会に生きる孤独さとオーバーラップさせたような印象を受けます。まさにAORの特徴である都会の中の孤独を上手く表現した名曲です。
さて、デイン・ドナヒュー自身については、ティーン時代からロックを始め、様々なオーディション等を経て、このアルバム制作に至ったようですが、その後の活動においては、あまり目立った活躍もありません。個人的には、彼のソングライティングはAOR的な視点からかなり優れていると思うのですが、アルバム「DANE DONOHUE」の1作のみで終わってしまっているのが実にもったいないような気がします。
ところで、このアルバムには豪華なミュージシャンが目白押しです。まずプロデュースには、かの有名なドナルド・フェィゲンとも近い関係にあるアーティストで、彼自身のアルバムにおいても男臭さを感じるAORには欠かせない存在、テレンス・ボイランです。カントリーやロックの世界でプロデューサーとしても活躍していたジョン・ボイランの弟ですが、兄とは違うロック・センスを持ち、AOR的なお洒落な感覚を持った人です。彼のアルバム「ALISA BOONA」「TERENCE BOYLAN」「SUZY」は、いずれもAOR名盤です。その他、共にアルバム・プロデュースをしているジェイ・ワィンディング、ギターには、ラリー・カールトンやジェイ・グレイドン、スティーヴ・ルカサーを使い分け、曲の所々で印象的なアクセントとなるヴィブラフォンを演奏するヴィクター・フェルドマン、ドラムにエド・グリーンやスティーブ・ガッド、ベースにマイク・ポーカロほか、またドン・ヘンリー、ティム・シュミット、J.D.サウザー、スティーヴィー・ニックス、トム・ケリー、ビル・チャンプリンなどによるバック・ヴォーカルと、超豪華の一言につきます。
アルバム全体の印象もロックと一言では片付けられない、ジャジーなムードと、エレピやヴィブラフォンによる都会的なサウンドがたまりません。「Woman」「Freedom」「Can't Be Seen」「Whatever Happened」などは、即ノックアウトです。その一方では、カントリー的なロックで男の魅力を演出します。AORとしては完璧なアルバムでしょう。
更には、アルバム・ジャケットのデイン・ドナヒューのふてぶてしい眼つきと、タバコに火をつけるしぐさは、言うことがありません。
ドナルド・フェイゲンの「NIGHT FLY」に匹敵するほどのカッコ良さです。
こんな名盤、そして名曲「Casablanca」は知らずにいたらもったいないですよ。聴けばAORがもっと好きになるはずです。是非、聴いてみてください。(Night-Plane)
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コメント
初めまして。
デイン・ドナフューのこの唯一のアルバム、大好きですね。音の抜け具合もいいし、何よりデインの楽曲がいい。
もちろん当時のAORオールスターズの演奏もいいですし。
投稿: 240 | 2009年1月 3日 (土) 11時40分