スティーブ・ドーフ/A Little Thing Called Life
ここ数回は、本来のAORが持つロック寄りな名曲を紹介しましたが、今回は、しっとりと聴かせる名曲を紹介します。
スティーブ・ドーフは、アメリカではテレビドラマのテーマ曲や、他のアーティストに楽曲を提供する、いわば裏方のソングライターとして活躍している人ですが、彼が楽曲を提供したアーティストは、アン・マレーやケニー・ロジャース、エディ・ラビット、B.J.トーマス、ジョージ・ストレイトなど数知れず、どちらかというとカントリー系やポピュラー系の歌手に馴染みがある人のようです。プロデュースやアレンジしたアーティストにも、クリストファー・クロスやメリサ・マンチェスターなどのAOR系アーティストもおり、顔の広さと仕事の幅の広さを感じる人です。
さて、今回紹介する名曲は、そんな彼が自分名義でリリースした限定アルバム「ORIGINAL DEMO」(2004)からの1曲「A Little Thing Called Life」です。1995年に、アーロン・ネヴィルの「The Tatooed Heart」によって、取り上げられた曲です。
アルバムのオープニングにふさわしい1曲で、ピアノのイントロから入る、とても雰囲気のある甘い感じの名曲です。日常の出来事を決して大げさに捉えず、「月は沈み、また日は昇る」的な、一日の繰り返しが日常生活であり、そんな些細なことが、毎日の生活であり、人生であり、本当に小さな出来事の連続だが、それは奇跡的なことである、と歌います。そして、毎日を過ごせることに感謝すべき、と歌います。
決して、宗教的な歌ではありませんが、ラブソングとは違う観点で、このようなことが歌われるのは、とても新鮮です。しかも美しいメロディとサビの素晴らしさに乗せて。CCMとは、違う感動ですよね。
このアルバムは、全編、ウォーレン・ウィービーがヴォーカルを取り、伸びやかに歌っていますが、全曲が素晴らしい出来です。デモ集とは思えないくらいです。他のアーティストに提供した曲の自身のカバーもありますが、スティーブ・ドーフの才能と魅力を十分に見せつけてくれます。どの曲も派手さはなくシットリとした曲ですが、聴く価値は十二分にあります。ただし、1000枚限定なので、手に入りにくいかも知れません。
AORアーティストとしては、表には出てこないスティーブ・ドーフですが、職人として、「良い仕事してますね~」と、いった感じです。今回の名曲「A Little Thing Called Life」は、機会があれば是非聴いてみてください。きっと、心に響きますよ。(Night-Plane)
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